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- YOSHIMURA Chozo
- 近畿大学理工学部応用化学教室
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- NOGUCHI Hayao
- 近畿大学理工学部応用化学教室
Description
スズ(IV)はヘマトキシリンと酸性溶液中において赤紫色の呈色化合物を生成するため,スズ(IV)の比色分析に利用されているが1)2),本実験は非水ならびに水溶液中において生成する錯体の組成決定および相違について検討した。<br>非水溶媒としては,試薬の溶解度の面からメチルアルコールを用いたが,スズ(IV)とヘマトキシリンは紫色の化合物を生成し,また0.6N塩酸中でも同様の呈色化合物を生成するが,それぞれの吸収極大波長は540および510mμであった。<br>水溶液中においてpH 1.1, 4.6, 7.2のおのおのについて錯体を製造し,分析を行なった。またアルコールおよび塩酸溶液中における呈色化合物の結合比は,分光光度法,電導度滴定法で求めた。その結果,水溶液中で製造した錯体はスズ(IV)とヘマトキシリンが2:1で反応し,組成はSn2C6H12O8Cl2であると推定した。呈色反応の結合比は,アルコール中でスズ(IV)とヘマトキシリンは1:1であり,塩酸溶液中においては1:2となり結合比が異なっている。したがってヘマトキシリンの酸化体であるヘマテインについても同様に,スズ(IV)との反応について検討した。またスズ(IV)のホーラログラフによる定量法についても検討したが,ヘマトキシリンの存在により, pH約0.8で-0.13および-0.43V vs. SCEに半波電位をもついに段還元波が得られ,スズ(IV)の定量が可能であった。
Journal
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- Nippon kagaku zassi
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Nippon kagaku zassi 86 (4), 399-405, 1965
The Chemical Society of Japan
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680127110400
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- NII Article ID
- 130003510940
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- ISSN
- 21850917
- 03695387
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed