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- 朝倉 祐治
- 京都府立医科大学化学教室
書誌事項
- タイトル別名
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- Oxidation of Silver with Atomic Oxygen
説明
放電でつくった酸素原子の気流中で銀板を酸化した。えられた酸化物の組成は酸化温度によって異なり,28℃ではAgO,300℃ではAg3O2であった。室温でえた酸化物は100℃ぐらいから明らかに分解が認められ,250℃ではたちまち分解してしまうが,高温でえた酸化物はより安定で真空中で375℃に2時間熱しても完全には分解しない。原子状酸素による銀の酸化速度は350℃ぐらいまでは温度とともに増大するが,500℃ではもはや酸化物は生成しない。原子状酸素による銀の酸化は放物線法則からずれている。室温でえた酸化物なら,たちまち分解してしまうような高温でも原子状酸素によって酸化物が生成すること,しかもその酸化物は高温で比較的安定であることは興味深い。高温で生成するこの酸化物Ag3O2は,原子状酸素によっていったん生じた酸化物AgOが一部分解してできるのではなく,まったく別物であると考えられる。<BR>銀の表面での再結合熱によって原子状酸素を定量する方法がある。このさい,銀の表面は酸化されてたちまち黒変する。本実験の結果から,この酸化物が酸素原子の定量に与える影響を検討した。
収録刊行物
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- 日本化學雜誌
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日本化學雜誌 90 (10), 987-991, 1969
The Chemical Society of Japan
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680132287360
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- NII論文ID
- 130003412220
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- ISSN
- 21850917
- 03695387
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可