高圧下におけるアルドール縮合

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タイトル別名
  • Pressure Effect in the Aldo! Condensation

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説明

イソブチルアルデヒドおよびn一ブチルアルデヒドのアルドール縮合を温度40~60℃,100~5000kg/cm2の圧力下で行ない種々の検討を行なった。メタノール-水混合溶媒で反応を行なったところ,反応速度はアルデヒド濃度に関して二次,塩基濃度に関して一次であった。<BR>イソブチルアルデヒドの場合は圧力によって反応速度は増加し,ΔV<0であるが,衛ブチルアルデヒドの場合はΔV>0であった。溶媒の水の濃度を増加すると反応速度は増加し活性化体積は減少した。以上の結果からアルドール縮合の素反応における縮合過程で二つの型式があると推察される。すなわちイソブチルアルデヒドの場合はイオン化過程で生成したカルバニオンとアルデヒド水和物の水酸基との置換反応であり,n-ブチルアルデヒドの場合はアルデヒド基のCδ+-Oδ-へのカルバニオンの付加と考えられる。そのため前者は圧によって加速され,後者は抑制されると推論できた。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 89 (3), 240-244, 1968

    The Chemical Society of Japan

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