書誌事項
- タイトル別名
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- Electronic Structures of Bicyclo[1. 1. 0]butane
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説明
ビシクロ[1.1.0]ブタン〔 1 〕,およびその幾何異性体シクロブテン〔 2 〕,メチレンシクロプロパン〔 3 〕の電子状態を,拡張Hükel法およびすべての原子価電子を考慮した半経験的ASMO SCF法を用いて計算した。SCF法の結果による全エネルギーは,〔 3 〕>〔 2 〕>〔 1 〕の順に滅少し,分子はこの順に不安定となる。また化合物〔 1 〕の構造としては,数種の異なった立体配置について計算した結果,HarmonyとCoxが提唱した構造が一番安定となった。なお,これらの計算でSCF法による全エネルギーと拡張Hükel法の全電子エネルギーの変化の傾向はほぼ一致する。<BR>つぎに,拡張Hükel法を用いてビシクロブタン環の共役能および電子供与性について検討するため,1-ビニルビシクロ[1.1.0]ブタンを基準に選び,3,3-ジメチル-1-ブテン,ビニルシクロプロパン,1-ビニルピシクロ[2.2.0]ヘキサンおよびブタジェンのπ軌道エネルギーおよび電子分布を比較した。その結果,ピシクロブタン環はビニル基と同程度の共役能をもち,電子供与性も大きいと結論された。<BR>なお,ASMO SCF法により,化合物〔 1 〕,〔 2 〕および〔 3 〕の励起エネルギーと振動子強度の計算を行なったが,ビシクロ[1.1.0]ブタン〔 1 〕は,オレフィンと類似した励起エネルギーと振動子強度をもつことが明らかになった。0
収録刊行物
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- 日本化學雜誌
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日本化學雜誌 89 (7), 644-648, 1968
The Chemical Society of Japan
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680132481152
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- NII論文ID
- 130003511778
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- ISSN
- 21850917
- 03695387
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可