イオン重合触媒の活性

  • 紙尾 康作
    日本カーバイド工業株式会社魚津工場研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Activities of Ionic Polymerization Catalyst

抄録

有機金属化合物,金属アルコキシド,金属アミドのようなイオン重合触媒の性格を明らかにするために二つのパラメーターxMおよびAMδ+を用いることを提案した。xMは金属の電気陰性度であり,これは触媒のアニオン活性を示す。AMδ+は触媒分子中で分極によって帯電している金属原子Mδ+の電子親和力であって,これは触媒の配位活性を示す。AMδ+は金属のイオン化ポテンシァル,金属および金属に結合している元素の電気陰性度から近似的に求められる。<BR>xMおよびAMδ+から判断すれば,アセトアルデヒドのポリエーテルへの重合やオレフィンオキシドの高重合度電合体への重合に有効な金属アルコキシド触媒は配位アニオン重合触媒に属する。Tischenko反応とアルドール縮合を比較すると,これらの反応に有効な触媒の性格から,前者は配位アニオン反応であり,後者はアニオン反応であるといえる。<BR>金属アルコキシドのAMδ+はまた金属の錯化合物生成能とも関連している。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 84 (7), 564-568,A38, 1963

    The Chemical Society of Japan

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