栗野岳温泉噴気孔ガスの放射性成分含有量

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タイトル別名
  • The Contents of Radioactive Components in Fumarolic Gases from the Kurinodake Spa, Kirishima Volcano
  • クリノダケ オンセン フンキコウ ガス ノ ホウシャセイ セイブン ガンユウリョウ

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抄録

霧島火山西北端の栗野岳温泉の噴気孔ガスについて 1950 年以来その放射性成分含有量を調査した。その結果ここの噴気孔ガスの放射牲成分含有量はかなり大きいこと,噴出勢力の強大なもののラドン含有量が一般に小さく,噴出勢力の弱いものがかえってラドン含有量が大きいこと, Tn/Rn は噴出勢力と正の相関をもっていることを知った。<BR>とくに注目すべきことは,放射性成分含有量の変化の幅が比較的小さいことで,Tn/Rn の比をとるとさらにこの傾向がはっきりする。前ノ湯 N0.2 噴気孔ガスの Tn/Rn は,数年閥にわたってほとんど変化していない。この性質は玉川温泉大ブキ No .4 噴気孔ガスのそれとまったく対照的である。玉川温泉の北投石に相当する放射性温泉沈殿物はこの地域の地表付近にはみあたらない。<BR>このような性質から,この噴気孔群のガスの放射性成分も,箱根の場合と同じように,比較的浅いところにある供給帯から供給されるもので,供給帯中のラジウム,トリウムX の分布は比較的分散的であろうと推定した。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 82 (9), 1147-1153, 1961

    The Chemical Society of Japan

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