日本語学習者による動詞活用の習得について

書誌事項

タイトル別名
  • The Acquisition of Verbal Inflection by L2 Learners of Japanese
  • 日本語学習者による動詞活用の習得について--造語動詞と実在動詞による調査結果から
  • ニホンゴ ガクシュウシャ ニ ヨル ドウシ カツヨウ ノ シュウトク ニ ツイテ ゾウゴ ドウシ ト ジツザイ ドウシ ニ ヨル チョウサ ケッカ カラ
  • ――造語動詞と実在動詞による調査結果から――
  • Evidence from Nonce Verb and Real Verb Tests

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説明

<p> 日本語の動詞活用が項目学習であるのか,あるいは規則学習であるのかを検討するために,造語動詞と実在動詞を用いた活用テストを実施した。調査対象者は41名の留学生で(中国内モンゴル出身39名,韓国出身2名),日本語レベルにより上位,中位,下位に分けた。</p><p> 分析の結果,実在語の正答率は造語よりも有意に高く,どちらも日本語レベルが上がるに従って正答率も上がっていた。また,造語動詞では,語尾の一致する実在語がない「かぷ」が他の造語(「ほむ」「ほく」「むる」)よりも有意に低くなっていた。以上から,日本語の動詞活用においては,トップダウンで規則を適用する能力と,一つ一つの活用形を記憶する項目学習の働きの両者が関わっていると推測される。そして,Klafehn(2003)による日本語母語話者を対象とした調査と比較した結果,日本語学習者と日本語母語話者とは,動詞活用の処理方法が異なる可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 日本語教育

    日本語教育 145 (0), 37-48, 2010

    公益社団法人 日本語教育学会

被引用文献 (1)*注記

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