英語学習の動機づけ発達について : 自己決定動機づけに基づいて

  • 藤居 真路
    広島大学大学院教育学研究科:広島県立神辺高等学校

書誌事項

タイトル別名
  • The Development of the Self-Determination Motivation for Learning English from 5^<th> Grade through 11^<th> Grade : A Cross Sectional Analysis
  • エイゴ ガクシュウ ノ ドウキズケ ハッタツ ニ ツイテ : ジコ ケッテイドウキズケ ニ モトズイテ

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抄録

英語学習は,他教科と導入時期が異なるために動機づけ発達の特異性が指摘されてきた。本研究は,英語学習における自己決定動機づけの発達的変化について構造と特徴を明らかにすることにより教育的示唆を得ることを目的とした。小学5年から高校2年までの725名に動機づけと家庭学習時間に関する質問紙調査を実施し,Lens & Vansteenkiste(2008)の2因子仮説に基づいて動機づけの構造の発達的変化を調べるとともに,動機づけの種類と英語学習時間との関係を発達的に調べた。その結果,動機づけの種類によって発達パターンが異なることがわかった。また,動機づけの構造は発達的に変化しないが,家庭学習に関与する動機づけの種類は学年進行にともない内面化とは逆方向で変化していくことがわかった。このことから,Deci & Ryan(1985)らが主張する内面化(外発的動機づけから内発的動機づけに動機づけが変化する過程)が行動や態度を変化させると考えるよりも,動機づけの種類が変化しないままで行動や態度への影響力を変化させる場合があることが明らかになった。また,動機づけの研究及び教育実践において発達的視点の必要性が示唆された。

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