ヤクーツクのダイヤモンド : その研究と関連する科学的な諸問題

書誌事項

タイトル別名
  • YAKUT DIAMONDS : SCIENTIFIC PROBLEMS CONNECTED WITH THEIR STUDY
  • ヤクーツクのダイヤモンド--その研究と関連する科学的な諸問題〔英文〕
  • ヤクーツク ノ ダイヤモンド ソノ ケンキュウ ト カンレンスル カガクテキ

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説明

ソ連で最初のダイヤモンドは1828年ウラルで発見され, その後ウラルその他の地域で1917年までに計250個のダイヤモンドが発見されている。シベリヤでは1898年に小結晶がみつかった。これらはいずれも偶発的な発見で, ダイヤモンド鉱床についての組織的た研究がはじまったのは1930年代以降である。この結果中央ウラルに鉱床がみつかったが, 採掘量は十分てはなかった。30年代には, シベリヤの組織的な地質学的研究がエニセイ川とレナ川の間の広大な地域で行なわれ, この研究でシベリヤと南アの地質学的岩石学的な類似性が指導原理になった。1948年には最初の漂砂鉱床が発見され, 1954年には最初のキンバレー岩鉱筒の発見があった。ひきつづき多数の鉱筒が発見された。これらキンバレー岩の地質時代は南アのそれよりも古く, 石炭紀,ペルム紀のものがあり, またジュラ紀のものもある。絶対年代測定結果によると4.5〜1.46億年の間にわたり, 少なくとも5回の貫入があった。ヤクーツクのキンバレー岩中の捕獲岩およびダイヤモンド中の包有物の研究が, 上部マントルに関する科学的な情報を豊富にする原動力になり, ダイヤモンドの大部分はキンバレー岩マグマの形成以前にできており, キンバレー岩マグマによって地表にまで運び上げられたことがわかった。さらに, マントルは不均質であり, 種々のマグマがあり,マントルの温度は従来の考えよりも低く, キンバレー岩マグマはマントル中のホット・ポイントで上昇したことがわかる。さらに, 最近のダイヤモンド中の炭素の同位体組成の研究から, 同位体組成が大巾に変動することがわかり, これから,炭素の起源が有機起源であることが支持されるようになった。

収録刊行物

  • 宝石学会誌

    宝石学会誌 8 (1-4), 73-77, 1981

    宝石学会(日本)

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