ドイツ保険法におけるいわゆる「戦争除外条項」の解釈について

書誌事項

タイトル別名
  • On an Interpretation of the War Exclusion Clause in the German Insurance Law
  • ドイツ ホケンホウ ニ オケル イワユル 「 センソウ ジョガイ ジョウコウ 」 ノ カイシャク ニ ツイテ

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説明

本稿は,ドイツ保険法(とくに2008年版傷害保険普通約款第5.1.3号)を基礎に,戦争除外条項を取り上げ,当該条項の解釈論を展開するものである。近年,1990年代の湾岸戦争や2001年の9.11事件のように保険業界にも特徴的な事件が繰り返された結果,ドイツでは当該条項の解釈についてさまざまな議論がなされている。このことは,法的観点から再度,その意義や目的を具体的に検討する余地を残すものであろう。本稿における検討の結果,個々の戦争事象については,算定不能な戦争リスクの除外という目的を前提に,結論として戦争事象と当該事故との間の直接もしくは間接の相当因果関係の有無によって評価されること,テロ攻撃も戦争事象に含まれる場合があること,保険者の証明責任は,表見証明等によって軽減が可能であることなどを指摘し,もってドイツ保険法上の戦争除外条項の解釈の方向性を提示している。

収録刊行物

  • 保険学雑誌

    保険学雑誌 2015 (631), 631_113-631_132, 2015

    日本保険学会

参考文献 (1)*注記

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