アジア太平洋地域の米国・他先進国間のFTA情報通信ルール交渉のゲーム

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タイトル別名
  • Games of negotiations on ICT regulations provisions of bilateral FTAs between the United States and other developed countries in the Asia/Pacific region
  • アジア タイヘイヨウ チイキ ノ ベイコク ・ タ センシンコクカン ノ FTA ジョウホウ ツウシン ルール コウショウ ノ ゲーム

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抄録

アジア太平洋地域の各国間で締結が進められている個別的 FTA には、各国の情報通信市場の環境整備のための規律を定める情報通信規定が多く設けられている。米国は、積極的に自国の国内ルールを投影させた個別的 FTA を拡大させるアプローチを進めている。この結果、米国の FTA は、シンガポールや豪州のような他の先進国が途上国等と締結した FTA とは異なる内容のルールが設定されている。個別的 FTA によるルールの多様化は、その個別的 FTA を手直ししなければ多国間でのルール共有を阻害すると論じられてきた。しかし、米国は、他の先進国との FTA 交渉では、互いの国内自由化アプローチの差異により一方にしかメリットのないルールオプションは棚上げにして両国にメリットのあるルールのみを FTA に盛り込むことで合意している。これは、FTA で共有することにメリットがあると考えられているルールが十分多く存在しているためである。現状のようにそういった違いを先進国間で認め合う限りは、米国が現在進めるような個別的 FTA の拡大は、多くの国で共通のルールを持つことを阻害せず、むしろ促進していると見られる。

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