アルカリ熔融の定量分析的研究(其の一)

書誌事項

タイトル別名
  • Quantitative Study on the “Alkalifusion Analysis”. I

抄録

定性分析法の操作を丁寧に行ふ事により其儘定量分析をなす事,即定性分析法と定量分析法の一致融合は誠に望ましき事なり.然るに從來の定性及び定量分析法は其れ等の操作共に複雑多岐なるのみならず,其方法必ずしも兩者一致せず.之一般に初め酸を用ひ,酸にて處理され得ざる場合にアルカリを用ひたる爲なり.<br>然るに曩に永海教授の發表せられたる定性分析法創案1)に於ては初めアルカリを用ひて熔融し元素を先づ陽性(金屬)元素群と陰性(非金屬)元素群とに二大別せり.而して分析法の生命とする試料溶液の製法及び分析操作を極めて簡單化し,正確化し,元素の週期律を活用し自然にして推理的,教育的なる所謂稀有元素及び普通元素的60餘種を含む場合の標準となる定性分析法を示されたり.即ち此方法に於ては其生命とし其主眼とする所はアルカリ熔融操作にあり.こゝにアルカリ熔融と其定量實驗を行ひ,此定性分析法は其儘簡單にして標準となる定量分析法となり得る事を其主眼點に於て實驗により證明し得.こゝに其結果を報告す.

収録刊行物

  • 日本化學會誌

    日本化學會誌 63 (5), 439-445, 1942

    The Chemical Society of Japan

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