第一原理分子動力学法とTight-Binding量子分子動力学法による ダイヤモンドライクカーボンの摩擦化学反応ダイナミクスと低摩擦機構の解明
-
- 久保 百司
- Fracture and Reliability Research Institute, Graduate School of Engineering, Tohoku University,6-6-11-701 Aoba, Aramaki, Aoba-ku, Sendai 980-8579, Japan
書誌事項
- タイトル別名
-
- First-Principles Molecular Dynamics and Tight-Binding Quantum Chemical Molecular Dynamics Simulations on TribochemicalReaction Dynamics and Low-Friction Mechanismof Diamond-Like Carbon
- ダイイチ ゲンリ ブンシ ドウリキガクホウ ト Tight-Binding リョウシ ブンシ ドウリキガクホウ ニ ヨル ダイヤモンドライクカーボン ノ マサツ カガク ハンノウ ダイナミクス ト テイマサツ キコウ ノ カイメイ
この論文をさがす
説明
第一原理分子動力学法とTight-Binding量子分子動力学法を用いて,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の低摩擦メカニズムについて検討を行った.荷重1 GPaの条件では,水素終端されたDLCは,水素―水素反発によって低摩擦が実現されること,また摩擦界面でH2分子の生成反応が起こることで,さらに摩擦係数が下がることを明らかにした.しかし,7 GPaの高荷重下では,摩擦界面においてC–C結合の生成反応が起こることで,摩擦係数が上昇する問題点があることを指摘した.ここで,機械工学の教科書には「摩擦係数は荷重に依存しない」と記述されているが,上記の結果は「摩擦界面で化学反応が起こる場合には,摩擦係数は荷重に依存する」ことを示しており,従来の機械工学の教科書を書き換える成果である.さらに,7 GPaの高荷重下において摩擦係数が上昇する問題点は,DLCの表面をOH終端することによって解決できること,またDLCのOH終端はメタノール環境下の摩擦化学反応を活用することで実現できることを提言した.
収録刊行物
-
- Journal of Computer Chemistry, Japan
-
Journal of Computer Chemistry, Japan 12 (1), A3-A13, 2013
日本コンピュータ化学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680155452416
-
- NII論文ID
- 130003362972
-
- NII書誌ID
- AA11657986
-
- ISSN
- 13473824
- 13471767
-
- NDL書誌ID
- 025189053
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可