踵に生じた血管平滑筋腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Angioleiomyoma Arising on the Right Heel

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説明

60歳代,女性。30歳頃から右踵に結節を認めていたが自覚症状がなく放置していた。徐々に増大し,数週間前から痛みを伴ってきたため受診した。初診時右踵に 20×18×8mm の境界明瞭で,ドーム状の結節があったが,手術の希望がないため経過を観察していた。初診3年後,結節は 26×22×11mm となり痛みも増強したため全切除した。病理所見では真皮から皮下にかけて境界明瞭な腫瘍を認めた。腫瘍の本体は紡錘形細胞の増殖であり,血管腔を取り巻くように分布していた。一部は嚢腫状となっていた。腫瘍内に石灰化巣が散見された。以上より石灰化を伴った血管平滑筋腫と診断した。本来有痛性の腫瘍であるが,モノフィラメント圧痛計で感覚閾値が高い踵に生じたため,長い経過を経て石灰化を生じたと考えた。(皮膚の科学,14: 183-187, 2015)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 14 (4), 183-187, 2015

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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