可視光応答性二酸化チタン光触媒の開発と鉄イオンを用いた高感度化

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タイトル別名
  • Development of Visible Light Sensitive TiO<sub>2</sub> Photocatalysts and Their Sensitization Using Fe<sup>3+</sup> Ions
  • Development of Visible Light Sensitive TiO2 Photocatalysts and Their Sensitization Using Fe3+ Ions
  • Development of Visible Light Sensitive TiO2 Photocatalysts and Their Sensitization Using Fe〔3+〕 Ions

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抄録

二酸化チタン光触媒は環境浄化用の重要な触媒と考えられているが,その触媒活性は紫外光照射下でしか発現しない。したがって,我々は,太陽光のような広範囲な光を励起光源に利用するために,可視光化で触媒活性を発現する光触媒の開発は重要と考えている。そこで,我々は硫黄カチオンを二酸化チタンのチタンイオンの一部,あるいは窒素アニオンを二酸化チタンの酸素イオンの一部と置換した可視光応答型二酸化チタン光触媒を開発した。これらは,可視光領域に強い吸収を示し,440 nmの可視光照射下で2-プロパノールやアダマンタンの部分酸化反応を効率よく進行させる。XPS測定により硫黄と窒素の酸化状態を測定したところ,ドープされた硫黄の酸化数は主にS4+であり,窒素の酸化数はN3-であった。さらに,硫黄と窒素をドープした可視光応答型二酸化チタンの粒子表面に鉄イオンを吸着処理することで,触媒活性が大きく向上した。このときの最適な鉄イオン吸着量は,硫黄ドープ二酸化チタンの場合で0.9 wt%,窒素ドープに酸化チタンの場合で0.36 wt%であった。これら鉄吸着処理を行った硫黄および窒素ドープ二酸化チタンは,水素化ホウ素ナトリウムにより吸着処理した鉄イオンの還元,空気再酸化により,さらに活性が向上することが明らかになった。<br> このときの最適な鉄イオン吸着量は,硫黄ドープ二酸化チタンの場合で2.81 wt%,窒素ドープに酸化チタンの場合で0.88 wt%であった。<br>

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