掻破性脱毛を伴ったアトピー性皮膚炎の1 例

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タイトル別名
  • A Case of Atopic Dermatitis Complicated with Scratched Alopecia
  • -Shifting from trichotillomania to scratched alopecia-
  • ―トリコチロマニアから掻破性脱毛への移行―

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抄録

9 歳,男児。軽度のアトピー性皮膚炎で近医加療中,初診の1 ヵ月前より左側頭部に脱毛斑を生じたため当科へ紹介となった。帯状の脱毛斑は,痒みがなく,短く残存する断裂毛があり,無意識に抜毛していることからトリコチロマニアと診断した。詳細な問診より,学童保育のサッカー練習で,ゴールキーパーを強制されているというストレスが判明した。保護者が学童保育に相談し,3 ヵ月後に略治。その後,発汗でアトピー性皮膚炎が悪化,前頭・両側頭部の痒みから,掻破性脱毛を生じた。ステロイド外用で加療したが難治であったため診察毎に両側頭部の脱毛斑の写真記録を実施,毎回患児に見せて,患部を客観視させたところ,約8 ヶ月で治癒した。(皮膚の科学,増18: 61-64, 2012)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 11 (Suppl.18), 61-64, 2012

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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