ZSM-5系ゼオライト触媒上でのナフサ成分の接触分解による低級オレフィンの選択的合成

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  • Selective Formation of Light Olefins by Catalytic Cracking of Naphtha Components over ZSM-5 Zeolite Catalysts

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<p>ナフサから低級オレフィンを選択的に得るために,723~923 Kで種々のSi/Al比のH-ZSM-5系ゼオライト触媒上で,ナフサ成分であるC6~8炭化水素の接触分解を行った。最初に,923 K,H-ZSM-5(Si/Al = 31)上でn-ヘプタンの接触分解を行ったところ,転化率99.6 %で59.7 C-%の高いエチレン + プロピレン収率(プロピレンス/エチレン比 = 約0.72)が得られた。そして,生成物分布と活性化エネルギーから,923 K以上の高温では単分子反応機構が支配的であることを明らかにした。次に,2成分系炭化水素の接触分解を行った。その結果,1-ヘキセンの共存は,n-ヘプタン,シクロヘキサン,またはメチルシクロヘキサンの分解速度に影響を与えないことから,923 K以上の高温では単分子反応機構が支配的であることが支持された。一方,シクロヘキサンやメチルシクロヘキサンの共存は,n-ヘプタンの分解速度にかなりの影響を与えることから,H-ZSM-5細孔内でそれらの拡散速度が遅いことが示唆された。さらに,H-ZSM-5と同等もしくはそれ以上の触媒活性とH-ZSM-5よりも高い耐スチーム性を有する触媒の開発について検討したところ,194 %Cu-ZSM-5や95 %Ag-ZSM-5がH-ZSM-5やP/H-ZSM-5に比べて耐スチーム性が高いことが明らかとなった。特に,194 %Cu-ZSM-5は,1023 K,10 hのスチーム条件で極めて高い耐スチーム性を示した。この理由は,194 %Cu-ZSM-5中のCu2+およびCu+が,1023 K,酸素共存下においてCu0に還元されないためである。</p>

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