アスファルトバインダーの紫外線による劣化機構とカーボンブラック添加によるその抑制効果

  • 山口 勝之
    東海カーボン(株)知多研究所
  • 佐々木 厳
    (独)土木研究所 材料地盤研究グループ新材料チーム
  • 明嵐 政司
    (独)土木研究所 材料地盤研究グループ新材料チーム

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanism of Asphalt Binder Aging by Ultraviolet Irradiation and Aging Resistance by Adding Carbon Black
  • アスファルトバインダー ノ シガイセン ニ ヨル レッカ キコウ ト カーボンブラック テンカ ニ ヨル ソノ ヨクセイ コウカ

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説明

アスファルトバインダーの紫外線による劣化機構を探るために,バインダー中の個々の構成成分について紫外線劣化挙動を調査した。その結果,飽和成分が酸素含有官能基(カルボニル基)を生成してレジン成分とアスファルテン成分へと変質することが分かった。また,芳香族成分についても,飽和成分とは異なる劣化機構によりレジン成分やアスファルテン成分へと変質することを示唆する現象が見られた。<br> 一方,樹脂等の分野で耐候性改善用の充填材として知られるカーボンブラックを添加することにより,紫外線劣化による飽和成分のカルボニル基生成を抑えられることが分かった。カーボンブラック添加によりバインダーの紫外線劣化(化学的な性状変化)が抑えられた結果,低温域における破壊性状試験では紫外線劣化によるフラース脆化点温度の上昇が抑えられた。また,破壊時のひずみと応力を大きくする補強効果も認められた。アスファルトバインダーへのカーボンブラックの添加は,紫外線による劣化を抑えるだけに止まらず,ひび割れの発生を抑えるといった機械的性状を改善する効果も期待され,アスファルト舗装の耐久性を向上する一つの有効な策と考えられる。<br>

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