関数変換を用いたアンサンブルカルマンフィルターによる相対浸透率の推定

  • 合田 隆
    東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻
  • 佐藤 光三
    東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Relative Permeability Estimation by Ensemble Kalman Filter Using Function Transformation
  • カンスウ ヘンカン オ モチイタ アンサンブルカルマンフィルター ニ ヨル ソウタイ シントウリツ ノ スイテイ

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抄録

関数変換を用いたアンサンブルカルマンフィルターの適用手法を開発する。物理的制約条件を持つパラメーターがモデル変数に含まれている場合,フィルタリングの過程で条件を外れた値として評価されることがある。本研究では,0から1までの値域を持つ水/油の相対浸透率をモデル変数とし,シミュレーターで再現された1次元コア試験結果の同化により推定を試みる。従来の適用手法では,数回のフィルタリング後,負の相対浸透率値が求まり,次タイムステップの計算が行われなかった。効率的な解決策として,相対浸透率を関数変換した値でフィルタリングを行う手法を開発した。これにより,必ず正の値を求められただけでなく,精度よい推定が可能となった。また,推定する相対浸透率の不確実性は,飽和率によって時間に対する挙動が異なる点が認められたが,ブレークスルー時刻の前後において特に改善が進む傾向は全ての飽和率で見られた。観測回数を変化させた場合,アンサンブル平均に大きな相違は見られないが,分散は観測回数と反比例の関係を示すことが分かった。さらに,推定する変数の個数を変化させても,アンサンブルの平均値はほぼ一致し,類似した不確実性の改善挙動が見られた。

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参考文献 (31)*注記

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