ソルボサーマル法を用いる無機材料の合成とその応用

  • 岩本 伸司
    京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻
  • 井上 正志
    京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Solvothermal Synthesis of Inorganic Materials and Their Performance as Catalysts
  • Solvothermal synthesis of inorganic materials and their performance catalysts

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抄録

我々は無機材料原料の有機溶媒中での加熱処理(ソルボサーマル(ST)法)に関する研究を行っており,本方法で多様な無機材料が直接得られることを種々報告している。本稿では,最近の二つの研究,Ga2O3-Al2O3固溶体のST合成とそのメタン脱硝性能,シリカ修飾チタニアのST合成とその光触媒能に関し概説する。ガリウムアセチルアセトナートとアルミニウムトリイソプロポキシドのST反応では,スピネル型Ga2O3-Al2O3固溶体が得られ,これがメタンを還元剤とする選択的NO還元反応に高活性を示した。本反応ではCH4の活性化が律速過程であり,また第二近接がAl3+である4配位Ga3+が活性点であると考えられる。ジエチレントリアミン中でのST反応で得た触媒は特に高活性を示したが,これは触媒の表面酸点密度が低く,メタン燃焼が抑制されたためと考えられる。一方,チタンテトライソプロポキシドとオルソケイ酸エチルのST反応では,熱安定性に優れたアナタース型シリカ修飾チタニアが得られた。ST反応後,高温を維持して系内の気相成分を留去すると生成物をキセロゲルとして回収でき,これが高い光触媒活性を示した。さらに,これに窒素ドープした試料は可視光照射下でも高い活性を示した。

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参考文献 (170)*注記

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