犬の肺に発生した扁平上皮癌の1例

  • 梅原 藍
    日本大学生物資源科学部獣医病理学研究室
  • 佐藤 常男
    日本大学生物資源科学部獣医病理学研究室
  • 渋谷 久
    日本大学生物資源科学部獣医病理学研究室
  • 鈴木 和彦
    日本大学生物資源科学部獣医病理学研究室
  • 鯉江 洋
    日本大学生物資源科学部総合臨床獣医学研究室
  • 関 真美子
    日本大学生物資源科学部総合臨床獣医学研究室
  • 山内 理恵
    日本大学生物資源科学部総合臨床獣医学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Pulmonary Squamous Cell Carcinoma in a Dog

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説明

10歳,雄のビーグル犬が2カ月前からの発咳を主訴に来院した。本症例は,初診時から重度な発咳と多発性の心室性期外収縮が認められ,内科的維持療法を実施したが,初診から18日で死亡した。病理学的検索の結果,肺原発の中分化扁平上皮癌と診断された。腫瘍は有棘細胞様細胞の胞巣状増殖からなり,単細胞角化,核異型ならびに多数の核分裂像が認められた。免疫組織化学的に腫瘍細胞は抗ケラチン・サイトケラチン抗体に強陽性を,抗p53蛋白抗体には細胞質が陽性を示した。電子顕微鏡検索では,細胞質内に少量のトノフィラメント,細胞間に豊富なデスモソームが認められた。犬の肺扁平上皮癌の細胞質におけるp53の発現は,本症例が初めての報告である。

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参考文献 (13)*注記

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