<sup>35</sup>Sトレーサー法を用いたチタニア担持モリブデン系水素化脱硫触媒の硫化状態と硫黄挙動の解析

  • 石原 篤
    東京農工大学大学院 (現在)三重大学大学院工学研究科分子素材工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Sulfidation State and Sulfur Behavior on Mo-based HDS Catalysts Supported on TiO<sub>2</sub> Using <sup>35</sup>S Tracer Methods
  • Sulfidation state and sulfur behavior on Mo-based HDS catalysts supported on TiO2 using 35S tracer methods

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説明

一連のTiO2担持Mo系触媒硫化状態を調べるために,35Sで標識したH2Sを用いた35Sトレーサー法を行った。Al2O3担持触媒とは異なり,300℃でTiO2担持触媒のTiO2表面がMoO3に覆われていたとしても硫化された。また,硫化された触媒は水素雰囲気下で還元された。作動状態での硫化Mo/TiO2触媒上での硫黄の移動挙動を定量するために,35Sで標識したジベンゾチオフェン([35S]DBT)の脱硫反応を行った。この方法では,触媒上の活性点の量を示すと考えられる移動可能な硫黄量(So)および一つの活性点の反応性を示すと考えられるH2Sの放出速度定数(kRE)の値を評価した。MoO3/TiO2では,Soの値はMoO3/Al2O3触媒よりわずかに高いだけであったが,kREの値はMoO3/Al2O3の値よりも約2倍高く,このことはTiO2が助触媒として作用しており,Mo上の硫黄の移動能力をTiMoS相を形成することで増加させていることを示唆した。<br>pHスイング法による高表面積TiO2(134 m2·g-1)担持触媒を調製し,DBTのHDSを検討した結果,Moの担持量が16 wt%まで直線的に向上し,それ以上では活性が低下した。この値はAl2O3担持触媒の場合よりも高く,pHスイング法による高表面積チタニアでは活性相のモルフォロジーがアルミナや通常のTiO2と異なる可能性がある。高表面積TiO2上に担持したCoMo触媒の活性はCoの添加量の増加に伴いCo/Mo比が0.4まで向上したが,それ以上の添加では減少した。移動可能な硫黄量(So)もCoの添加に伴いCo/Mo比0.4まで増加した。これに対して,H2S放出の速度定数(kRE)はCoの添加に伴いわずかに変化しただけであった。Mo/TiO2触媒へのCoの添加効果はAl2O3担持触媒に比べて小さいものであった。

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