FCC触媒の性能に対するZSM-5系アディティブと第一リン酸アルミニウムの併用効果

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  • Effect of Aluminum Phosphate Species as New Matrix Component on Cracking Performance of FCC Catalyst with or without ZSM-5 Additive

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抄録

国内のガソリン需要の減退傾向に対し,石油化学基礎原料の一つであるプロピレンの需要量は年々増加傾向にある。プロピレンはナフサクラッカーの副生成物もしくは流動接触分解(FCC)装置から得られる液化石油ガス(LPG)に含まれている。FCC装置におけるプロピレン含有LPG増産のための一手法として,FCC触媒にアディティブとしてZSM-5等を含む触媒を物理混合する方法が用いられている。本研究では,まずアディティブの添加により,主にガソリン留分中のC7~C11オレフィンが過分解され,LPGへ変換されることを見出した。また,アディティブ添加量の増大に伴い,FCC触媒の割合が低下するため,分解活性が低下し,スラリー油(SLO)等の重質な燃料油の収率が増加する課題を確認した。一方,ゼオライトの安定化効果が高いことが分かっている第一リン酸アルミニウム([Al–P]と表記)を配合したFCC触媒は,水素移行反応の抑制などの影響で,オレフィン含有量の多いガソリン留分を与える。種々検討の結果,アディティブを添加した場合,[Al–P]を配合したFCC触媒は,LPG収率の向上とSLO収率の抑制を両立することが明らかとなった。これは,従来型希土類配合FCC触媒では達成できなかったことである。したがって,[Al–P]配合FCC触媒は,アディティブ添加による石油化学基礎原料の増産に適合すると言える。

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