IR法によるゼオライト上での炭化水素の吸着とカルボカチオンの生成に関する研究

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  • Adsorption of Hydrocarbons and Formation of Carbocations over Zeolites Studied by IR Spectroscopy

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抄録

カルボカチオン種はゼオライト上での炭化水素の反応中間体としてしばしば提唱されており,その生成機構や反応性に関しては主にIRやNMRと言った手法が用いられてきた。本稿ではまず,これらの手法を用いてこれまでに明らかにされてきた結果を要約し,次にIRを用いた測定手法の詳細について紹介した。IRを用いた最近の研究例として,ゼオライト上への環状アルケンの吸着によるアルケニルカチオン種の生成について記した。<br>環状アルケンがシリカアルミナ,HY,モルデナイト,H-ZSM-5,H-ベータに吸着すると,酸性水酸基との反応によってアルケニルカチオン種を生成した。これは,IRスペクトルでは1490~1530 cm-1に,紫外可視吸収スペクトルでは290~330 nmに特徴的な吸収バンドを有することで確認された。さらに,他のゼオライトと比較して細孔径の小さいH-ZSM-5や酸強度の弱いH-ベータでは,アルケニルカチオン種に加えてアルコキシド種も生成することが分かった。

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参考文献 (107)*注記

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