減張切開による緊急手術が必要となったコンパートメント症候群の1例

  • 高藤 円香
    大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座 防衛医科学校皮膚科学講座
  • 高田 洋子
    大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
  • 壽 順久
    大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
  • 種村 篤
    大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
  • 惠谷 悠紀
    大阪大学大学院医学系研究科整形外科学講座
  • 田中 啓之
    大阪大学大学院医学系研究科整形外科学講座
  • 片山 一朗
    大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Acute Compartment Syndrome Leading to Emergency Surgical Decompression

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説明

40歳代,男性。左手手背の水疱を主訴に当科を受診した。既往歴として,パーキンソン病のため当院外来通院中であったが,夜間にオフ状態となり,左手から前腕にかけて紫斑と緊満性水疱が出現した。採血上 CK,LDH 値が高値を示し,前腕筋群の区画内圧の上昇がみられ,急性コンパートメント症候群と診断し,入院当日に緊急減張切開術を行った。受診後手術に至る間,緊満性水疱は急速に増加,拡大した。このような水疱は,抗精神病薬を内服した後の昏睡状態などにおいての出現報告が多いため,coma blister と呼ばれる。Coma blister は水疱症の他,褥瘡と鑑別が必要である。コンパートメント症候群の症状として水疱の出現は重度のサインとされており,迅速な診断および適切な加療が必要である。(皮膚の科学,16: 260-265, 2017)

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 16 (4), 260-265, 2017

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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