オオイトスゲ(カヤツリグサ科)の葉鞘口部と刺毛の形態

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  • オオイトスゲ(カヤツリグサカ)ノ ハ サヤグチブ ト シモウ ノ ケイタイ

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オオイトスゲCarex alterniflora Franch. における葉鞘上部の形態を調べた.基本変種シロイトスゲvar. alterniflora とベニイトスゲvar. rubrovaginata J. Oda & Nagam. は葉鞘口部が切形で,葉舌が高く,前部膜質部に刺毛が多いという点で共通しており,両者の形態的類似性が明らかとなった.クジュウスゲも葉鞘口部がほぼ切形で,葉舌が高いことが上記2変種と類似していたが,刺毛が観察されなかった点で異なっていた.対照的に,チャイトスゲvar. aureobrunnea Ohwi は葉鞘口部の形は半円形~ U 字形で,葉舌が大変低い点で上記3変種とは極めて異なる形態を示した.アリマイトスゲvar. arimensis Ohwiとキイトスゲvar. fulva Ohwi はシロイトスゲとチャイトスゲの中間的な形態(葉鞘口部は凹形~半円形で葉舌は中間の高さ)を示した.これらの形質特徴はタイプ標本の観察結果とも矛盾はなく,オオイトスゲ類の同定および分類群間の関連を議論するときにも役立つと思われる.オオイトスゲの種内分類群の検索表も提示した.

Journal

  • BUNRUI

    BUNRUI 17 (1), 15-24, 2017

    Japanese Society for Plant Systematics

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