西南日本の古生代-第三紀砂岩中の砕屑性ザクロ石

書誌事項

タイトル別名
  • Detrital garnets from Paleozoic to Tertiary sandstones in Southwest Japan.
  • セイナン ニホン ノ コセイダイ ダイ3キ サガン チュウ ノ サイセツセイ ザクロイシ

この論文をさがす

抄録

ザクロ石は低圧型, 中圧型 (Ia, Ig1, Ig2 に細分), 高圧型, エクロジャイト型およびグランダイトとに分けられ, これらはそれぞれ低圧変成岩・花崗岩, 中圧変成岩 , 高圧変成岩, エクロジャイトおよび石灰質岩源変成岩に含まれるものである. この分類によると, 西南日本では砕屑性ザクロ石の構成が 1) デボン紀・ペルム紀間, 2 ) 三畳紀中-後期, 3) 白亜紀中頃および 4) 白亜紀・古第三紀間にかなり著しく変わっている. ただし,これらの変化は必ずしも全域にわたって同じように起こっているわけではない. ペルム系にはグランダイトを主とするグランダイト群集と大部分がその他のタイプからなるパイラルスパイト群集があり, 前者は内帯でラディニアン下部, 秩父帯ではカーニアンまで存続する. デボン系と2) 後の地層群に含まれるザクロ石は,ごく一部を除くとパイラルスパイト群集に属する. この群集では多くの場合中圧型が卓越し, 四万十帯においては古第三系になると Ig2 が急増する. 西南日本中軸帯の上部白亜系-第三系にはグランダイトまたは中圧型に富むものもあり, ザクロ石の構成にかなりの地域差はあるが, 概して低圧型が多い. 秩父帯でも上部白亜系になると低圧型が増え, 四万十帯では逆に減少している. デボン系以外では高圧型が少なく, エクロジャイト型はまれである. 全体としてみると砕屑性ザクロ石としては中圧型が最も多く, 低圧型がこれに次ぐ. これらのなかには日本列島起源のものもあるが, アジア大陸の先カンブリア紀変成岩と古生代以前の花崗岩からのものが主体をなし, グランダイトの場合も日本列島より大陸からの供給のほうが優勢だったと推定される. これに対し高圧型の供給源は三郡変成岩を主とし,一部は大陸にあったとみなされる.

収録刊行物

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (31)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ