酵素処理イソクエルシトリンのF344/DuCrjラットを用いた13週間経口投与毒性試験および4週間回復性試験

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  • 13-Week Oral Toxicity and 4-week Recovery Study of Enzymatically Modified Isoquercitrin in F344/DuCrj Rats

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抄録

F344/DuCrj(Fischer)系ラットを用いて、酵素処理イソクエルシトリンの13週間反復投与毒性試験を飼料中濃度0,0.3,0.625,1.25および2.5%で実施(反復投与試験)した。さらに、別に設けた0および2.5%群では90日間投与後、投与を中止して4週間観察(回復試験)し、回復性についても検討した。臨床症状、生存率、摂餌量、食事効率、眼科学的検査及び器官重量には被験物質投与の影響は認められなかった。酵素処理イソクエルシトリン投与により変動したパラメーターとして、雌雄の2.5%群で体重増加の抑制、雄の2.5%群で尿中ケトン体の高値、全投与群で尿色調の黄色化ないし黄褐色化、雌の0.625および1.25%群並びに雄の0.625および2.5%群で網赤血球数の軽度な高値、雌の全投与群と雄の1.25および2.5%群でγ-GTPの軽度な高値、雄の1.25および2.5%群でBUNの軽度な高値、雌の1.25%以上の投与群および雄の0.625%以上の投与群で頭蓋骨ないし大腿骨の黄色化、雌の0.625%以上の投与群で腎臓石灰化頻度の低下を観察した。これらの内で、酵素処理イソクエルシトリンを2.5%の飼料中濃度で90日間投与し、28日間の休薬による回復性を検討したところ、雄の2.5%群の体重増加の抑制、雄の2.5%群のケトン体の高値、全投与群の尿色調の黄色または黄褐色化、網赤血球数の高値、雌の全投与群におけるγ-GTPの高値、およびBUNの高値に回復性を認めた。以上の結果、酵素処理イソクエルシトリンをラットに90日間反復経口投与し、合わせて回復性も検討した結果、観察された変化は毒性学的意義に乏しいか、あるいは回復性のものであった。なお、無毒性量(NOAEL)は雄で188mg/kg/day(0.3%濃度群)、雌で190mg/kg/day(0.3%濃度群)であった。

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