放牧牛の飼養管理における血液成分濃度の有用性

書誌事項

タイトル別名
  • Importance of blood concentrations of metabolites and hormones for feeding and management in grazing beef cattle
  • ホウボクギュウ ノ シヨウ カンリ ニ オケル ケツエキ セイブン ノウド ノ ユウヨウセイ

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抄録

栄養状態の指標としての血液成分濃度の有用性を検討するため,放牧1シーズン目(育成期)と2シーズン目(肥育期)の日本短角種を対象に,放牧開始から終了まで2週間間隔で体重と血漿成分濃度を測定した.遊離脂肪酸(NEFA)およびグレリンの血漿濃度については,両シーズン間でほとんど差はなかった.放牧終盤に両シーズン共に増体量がマイナスとなり,遊離脂肪酸の血漿濃度は増加傾向にあった.血漿グルコース濃度については,放牧後半に2シーズン目が有意に低くなり,増体量も低値を示した.血漿インスリン濃度については,放牧期間を通して2シーズン目が有意に高くなった.インスリン様成長因子1 (IGF-1)濃度については,放牧前半に2シーズン目が有意に高くなった.1シーズン目では血漿IGF-1濃度と体重との間に正の相関が認められた.栄養状態の指標としての血漿成分濃度の有用性が示唆されたが,血漿成分の変動は発育ステージに依存することが判明した.

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 83 (4), 357-362, 2012

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (25)*注記

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