乳用牛の泌乳持続性に対する遺伝評価モデルの比較

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of genetic evaluation models for lactation persistency
  • ニュウヨウギュウ ノ ヒツニュウ ジゾクセイ ニ タイスル イデン ヒョウカ モデル ノ ヒカク

この論文をさがす

抄録

研究の目的は,乳用牛の泌乳持続性に対する遺伝評価モデルを比較することであった.泌乳持続性に関する遺伝的パラメータおよび育種価を推定するため,初産牛の検定日乳量に対して牛群に特有の母数1次回帰係数を含む(HYC)および含まない(NoHYC)変量回帰モデルを,検定日記録から得た泌乳曲線に基づく指標に対して305日乳量との二形質アニマルモデル(LM)をそれぞれ当てはめた.NoHYCにおいて,牛群特有の泌乳曲線は育種価および恒久的環境効果の両方と交絡し,結果としてその遺伝率は過大推定され,育種価には偏りが観測された.HYCとLMから得られた育種価は牛群効果と独立であったが,それらの間の積率相関係数は,8回以上検定された娘牛を20頭以上もつ種雄牛について0.85にとどまった.推定育種価の精度がより高く,305日乳量の遺伝評価も同時に実施できることから,泌乳持続性の遺伝評価モデルとしてHYCが最適であると結論づけた.

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 82 (3), 297-304, 2011

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (36)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ