慢性期病棟に勤務する看護師のICLS コース受講後の急変時対応に対する認識の変化

  • 田口 豊恵
    京都看護大学看護学部
  • 宮崎 喜久子
    京都大学大学院医学研究科/社会健康医学系専攻健康管理学講座健康情報学

書誌事項

タイトル別名
  • マンセイキ ビョウトウ ニ キンム スル カンゴシ ノ ICLS コース ジュコウ ゴ ノ キュウヘンジ タイオウ ニ タイスル ニンシキ ノ ヘンカ

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説明

Immediate Cardiac Life Support(以下、ICLS)は、医療従事者のための蘇生トレーニングコース(以下、コース)で、日本救急医学会では一定の基準を満たしたコースに対してコース認定を行っている。本研究の目的は、コースに参加した慢性期疾患患者が多い病棟に勤務する看護師の急変時対応に対する認識が受講後にどのように変化したのかを質的帰納的研究手法を用いて模索することである。研究対象者は、コース受講後1年未満の看護師10名である。インタビューで得たデータは、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ法を用いて分析した。その結果、23の概念と「チームワークの重要性」、「心臓マッサージが印象的」、「知識・技術の習得」、「急変への備え」、「講習会をきっかけとした自己学習」、「急変時のイメージ化」という8つのカテゴリーが生成された。研究対象者はコース受講後、2 〜9 カ月が経過していたが、急変や心肺蘇生法(Cardio-pulmonary resuscitation : 以下、CPR)に対する態度や姿勢の変化が持続していた。慢性期病棟では、患者の急変やCPRを実施する機会が少ない。それゆえに、卒後教育には、患者の安全や命を守るための急変時の対応に対する適切かつ正確な知識の修得と技術習得に向けたICLS コースのような継続教育が必要であることが示唆された。

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