救急初療看護における臨床経験による臨床判断の差異

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タイトル別名
  • 救急初療看護における臨床経験による臨床判断の差異 : 初療経験1年目と5年目以上の看護師のインタビューから
  • キュウキュウ ハツリョウカンゴ ニ オケル リンショウ ケイケン ニ ヨル リンショウ ハンダン ノ サイ : ハツリョウケイケン 1ネンメ ト 5ネンメ イジョウ ノ カンゴシ ノ インタビュー カラ
  • 初療経験1年目と5年目以上の看護師のインタビューから

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説明

目的:救急初療看護において、看護師の臨床経験により、臨床判断にどのような違いがあるかを明らかにする。方法:初療看護経験1年目の看護師3名と5年以上の看護師3名を対象とし、両者が初療室で同一患者をケアする10場面における搬入前準備から退室までの臨床判断に関して半構成的面接を実施し、質的帰納的に分析した。 結果:1年目の看護師は「搬入前情報からの限られた予測」から、「マニュアルや指導にそって準備」を行い、「固定化された観察」により「断片的なアセスメントによる短絡的な病態の判断」の結果、「次に行われる処置の予測」と「何かによりどころをもちながら処置に没頭」に追われ、「初療室の経過を記述して引き継ぐ」で終了し、後に「何が起きていたかを振り返り意味づける」を行っていた。5年以上の看護師は、「搬入前情報と経験をもとにあらゆる病態を予測した準備」を整え、「広い視野から優先される情報を焦点化させた観察」を行い、「病態を同定し優先される処置の判断」のもと、「効果的、効率的な手順を追求しながらも迅速な処置への対応」と「患者の負担を最小限とするケア」を同時に行い、「今後生じる問題の総括と評価」に至っていた。 結論:1年目の看護師は、観察や処置介助に追われ、場面ごとの臨床判断に終始していたが、5年以上の看護師は経験を念頭に置き、広い視野から焦点化させながら臨床判断を行っていた。初療で迅速な対応を求められる場合には、予測性が準備やケアの在り方にまで影響し、臨床経験による臨床判断の差異は、予測性における選択肢の多様性や具体性で示された。

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