書誌事項
- タイトル別名
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- Validation of controllability of bubble liposome induction in blood flow under ultrasound field
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説明
目的:超音波と微小気泡との併用で超音波治療の効率向上が期待されているが,体内に注入後の微小気泡は血流と共に体内へ拡散してしまう.我々はこれまで,任意の箇所での微小気泡の濃度を高めることを目的として,流水中で超音波照射による微小気泡の誘導を行ってきた.この方法を,生体投与可能で様々な薬剤を包含できる微小気泡(バブルリポソーム,BLs)に応用する必要に迫られている一方,血流中での微小気泡の制御可能性については未確認であった.しかもBLsの平均直径は0.5 μmと小さく,従来の光学顕微鏡ではBLsの濃度を計測できない.対象と方法:そのため,超音波画像中の輝度変化からBLsの濃度を計測する校正法を確立し,生理食塩水とブタ血液の2種類の媒質を用いて実験を行った.まず超音波画像そのものによるBLsの破壊効果を調査し,BLsの濃度計測に影響を与えない超音波画像のMI値を検証した.さらにY字分岐を有する人工血管において,BLsを特定の経路に押し出す誘導実験を行った.ここでの実験条件は中心周波数5 MHz,最大音圧300 kPa-ppの集束波,流速30 mm/sとした.結果と考察:誘導実験の結果として,生理食塩水の場合に比べて,血流中ではBLsの破壊が軽減されることが今回の実験により初めて確認された.さらに誘導用音波の照射位置は,人工血管の分岐点で押し出すのでは無く,数mm離れた位置に設定した方が,誘導性能が向上することが分かった.結論:本研究の結果より,生体中におけるBLsの誘導の可能性を更に発展できる足がかりを確認できた.
収録刊行物
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- 超音波医学
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超音波医学 43 (5), 639-648, 2016
公益社団法人 日本超音波医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680175950720
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- NII論文ID
- 130005414880
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- ISSN
- 18819311
- 13461176
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可