書誌事項
- タイトル別名
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- A case of hepatic lymphoma showing a mixed pattern on contrast-enhanced ultrasonography
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説明
症例は70歳代,女性.主訴は心窩部痛.ALT持続正常HCVキャリアで,前医にて経過観察中であった.1年半前の超音波検査(US)で,肝S4に均質的な低エコー域を認めていたが,明らかな腫瘤としては認識されず,同時期のCTでも異常所見は指摘されなかったため経過観察されていた.経過観察中のUSで低エコー域は明瞭化,サイズ増大し明らかな腫瘤性病変として認識された.CTにては肝腫瘤および胃食道接合部に肥厚を認め,胃食道接合部癌と転移性肝癌の疑いで,精査加療目的に当院紹介となった.当院USにて,肝S4を主座とする境界明瞭な最大径91 mmの充実性腫瘤を認めた.辺縁は低エコーで中心部は高エコーを呈していた.肝門部には境界明瞭で低エコーのリンパ節腫大を多数認めた.Sonazoid®造影超音波検査(CEUS)では,動脈相で辺縁から内部に流入する微細点状の造影効果を認め,主に辺縁は強く造影されたが,中心部の造影効果はみられなかった.門脈相で辺縁の造影効果は減弱し,後血管相で造影欠損像を呈した.CTでは,内部に変性ないし壊死を疑う低吸収域を伴う乏血性腫瘤の形態であった.また,肝門部の他,頸部と左腋窩にリンパ節腫大像を認めた.診断目的で肝腫瘍生検が施行され,病理組織学的診断は,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫であり,悪性リンパ腫の肝浸潤と診断された.悪性リンパ腫の肝臓病変は,低エコーで均質な性状を呈する腫瘤性病変が多く,中心部が壊死を呈する症例の報告は少ない.今回,CEUSを施行した中心部に変性または壊死を疑う悪性リンパ腫肝浸潤の1症例を経験したので報告する.
収録刊行物
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- 超音波医学
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超音波医学 43 (1), 115-122, 2016
公益社団法人 日本超音波医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680175971840
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- NII論文ID
- 130005122763
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- ISSN
- 18819311
- 13461176
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可