救急外来へ来院する脳梗塞患者の緊急度判断と検査までの時間の検討

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  • キュウキュウ ガイライ エ ライイン スル ノウ コウソク カンジャ ノ キンキュウド ハンダン ト ケンサ マデ ノ ジカン ノ ケントウ

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救急外来では来院する患者に看護師が接触し、緊急度判断や診察までの待機場所などを判断している。しかし、 そのなかで脳卒中のような緊急性の高い疾患もあり、特に脳梗塞の場合は治療に時間が影響するため、トリアージ ナースは問診や身体所見などから検査や治療を予測した対応をしなければならない。そのため、脳梗塞で入院と なった患者の来院時のトリアージ記録を調査し、トリアージナースは症状から主訴を判断し、身体所見をどう捉え ているか、緊急度判断や、来院からMRI 検査までの時間を調査した。患者21,694人中、脳梗塞で入院したのは90件、 記録から集計できたのは83件であり、救急外来を受診した患者でrt-PA治療を行ったケースはなかった。主訴は「筋 力低下」20件が多く、その他「痺れ」、「呂律障害」11件などが多かった。身体所見は「徒手筋力テスト」が一番多く、 「呂律障害」、「頭痛」などがあった。トリアージレベルはレベルⅢが56 件と一番多かった。診療科の判断は神経内 科71 件、神経内科以外に診察を依頼したのは12 件であった。来院からMRI 検査までの時間は平均59.6 分、診療科 によるMRI検査までの時間に有意差は認めなかった。トリアージナースは患者の主訴や身体所見から脳梗塞を疑い、 神経内科に診察を依頼していた。またアンダートリアージのケースは「視力障害」、「嘔気」などの主訴から眼科や 総合内科を依頼しており、脳血管障害を予測した身体所見やアセスメントが不十分だったと考える。トリアージナー スはリスクを踏まえた脳梗塞の症状の見極めと、脳梗塞を予測した対応や時間管理といった、臨床実践における質 の向上を図っていく必要がある。

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