中越地震で発生した横渡地すべりにおける過剰間隙水圧の発生根拠としてのサンドダイクの発見

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タイトル別名
  • The latest sand dykes as the evidence for excess pore water pressure inducing Yokowatashi landslide during the 2004 Niigata-ken Chuetsu earthquake
  • チュウエツ ジシン デ ハッセイ シタ ヨコワタシ ジスベリ ニ オケル カジョウ カンゲキ スイアツ ノ ハッセイ コンキョ ト シテ ノ サンドダイク ノ ハッケン

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抄録

横渡地すべりは, 強度の弱い凝灰岩質砂岩が流れ盤で狭在する単斜構造を素因とし, 2004年の台風23号の降水と3日後の新潟県中越地震を誘因として発生した複合型災害である。この斜面は主に新第三紀鮮新世の塊状の砂質シルト岩層から構成され, すべり面となったのは, これに狭在する凝灰質砂岩である。このすべり面から移動岩盤内につながるサンドダイクを発見した。そしてこの凝灰質砂岩の含有物を調べると圧縮強度の低い多くのパミスを含むことがわかった。つまり, 凝灰質砂岩が地震時にせん断破壊され, 凝灰質砂岩内の過剰間隙水圧が上昇し, 上部のシルト岩塊が高速ですべり落ちたと推定した。また, 地すべりブロックを復元すると, すべりの速度は平均約10m/sec, 最大で約20m/secとなった。<br>さらに, 地すべり周辺の地質を調べると数枚の凝灰質砂岩層がみつかり, ここでも過去に地すべりを発生した形跡がある。これらの凝灰質砂岩を素因として, 地すべりを繰り返すことにより本地域を特徴付けるケスタ地形が形成された。

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参考文献 (13)*注記

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