進行性失語における臨床的特徴 ─失書の問題を中心に─

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical features of progressive aphasia ─with a focus on agraphia─

抄録

進行性失語における系統的な書字に関する検討は極めて少ない。本稿では,著者が長年行ってきたMND/ALS 患者の検討を通して,書字障害に関する以下の3 点について述べてみたい。1)本邦初の失語症症例報告にある患者は脳血管障害ではなく,球麻痺症状を伴うMND あるいはALS(MND/ALS)症例であり,進行性失語としても最初の報告と思われる。2)従来,進行性失語では口頭言語に比較し書字は保たれるとされてきたが,言語機能障害のうち書字障害だけが前景となり得る。3)書字障害は単に進行性失語の部分症状であったとしても,構音障害により失語症の病像が容易にマスクされ,その際には書字障害だけが表面化するものと思われる。したがって,進行性失語の病像,そして主要変性部位や変性過程は,日本語特有の書字体系である仮名,漢字の障害パターンに大きく反映される可能性がある。

収録刊行物

参考文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680180191616
  • NII論文ID
    130004694574
  • DOI
    10.2496/hbfr.33.318
  • ISSN
    18806554
    13484818
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ