Diffuse neurofibrillary tangles with calcification (DNTC) 類似の臨床症状を呈するが基底核の石灰沈着が軽微な変性疾患性痴呆の一例

DOI Web Site 参考文献59件 オープンアクセス
  • 五十嵐 武士
    新潟医療福祉大学医療技術学部 言語聴覚学科
  • 佐藤 厚
    新潟リハビリテーション病院 リハビリテーション部言語聴覚科
  • 今村 徹
    新潟医療福祉大学医療技術学部 言語聴覚学科 新潟リハビリテーション病院 神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Degenerative dementia with a clinical syndrome resembling diffuse neurofibrillary tangles with calcification(DNTC)but only slight calcification in the basal ganglia

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説明

症例は73 歳,女性。63 歳頃から肛門痛を執拗に訴え,67 歳頃から幻視,幻聴および妄想を訴え,物忘れも指摘されるようになった。72 歳頃からは時刻表的生活が出現した。75 歳時の神経心理学的検査では,MMSE は28 点,ADAS は減点7 であった。遂行機能課題で,計画の障害,目的に沿った行動の障害,効果的な実行の障害が明らかであった。日常生活上では,脱抑制,易刺激性,常同的食行動異常などが認められた。頭部CT 画像では前頭葉の萎縮と基底核の軽微な石灰化が認められた。本症例の臨床症状は前頭側頭型痴呆(FTD)との類似点が多いが,きわめて緩徐な進行や,初期症状が幻覚,妄想であることなどの点はFTD としては非典型的であり,むしろ経過と臨床症状には石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)との共通点も多い。生前の画像診断においては軽微な石灰化しか検出されないDNTC の可能性も考えつつ,経過を観察する必要がある。

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参考文献 (59)*注記

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