失語症者における新造語の出現機序について

DOI Web Site 参考文献19件 オープンアクセス
  • 宮崎 泰広
    日本赤十字社医療センター リハビリテーション科
  • 種村 純
    川崎医療福祉大学 感覚矯正学科
  • 伊藤 絵里子
    川崎医療福祉大学 感覚矯正学科 横浜市総合リハビリテーションセンター 医療部

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanism of Neologisms in Aphasia

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説明

新造語を呈した失語症者の呼称課題における反応を分析し, 新造語の出現機序について検討した。初回評価時の呼称課題にて, 新造語がその他の発話症状に比べもっとも多く出現した失語症 10 例を対象とした。初回評価時と発症1 ヵ月後の再評価時における呼称課題の反応を継時的に分析した。その結果は, 新造語の減少に伴い, 音韻性錯語の出現が増加した者は3 例, 無関連性錯語の出現が増加した者は3 例, 意味性錯語の出現が増加した者は2 例, 音韻性錯語と語性錯語の出現がともに増加した者は2 例であった。新造語の減少に伴い他の錯語が増加し, 症例により経過的に種々の錯語タイプに分かれた。これは言語処理の障害過程を反映している可能性を示し, 新造語は音韻レベル, 意味・語彙レベル, その複合的な障害により生じることが示唆された。

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参考文献 (19)*注記

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