視覚背側経路の働きを行動学的に推測する

DOI Web Site 参考文献28件 オープンアクセス
  • 桜庭 聡
    社会医療法人北斗 北斗病院 医療技術部 作業療法科

書誌事項

タイトル別名
  • A tool for understanding the function of dorsal stream behaviorally;
  • the research method with Continuous Flash Suppression
  • ―Continuous Flash Suppression を用いた検討―

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説明

視覚背側経路はリーチングや把持だけではなく, 道具に関する情報処理や読字に関してもその役割が報告されている。Continuous Flash Suppression (CFS) という画像提示方法は, 行動学的かつ簡便に本経路の働きを推測することができるツールとして利用できる。CFS はアナグリフなどを用いて両眼に各々異なる視覚刺激を提示することで, 両眼競合と呼ばれる現象を起こし, 無意識下での視覚情報処理を生じさせる手法である。CFS 下で短時間提示された静止画像に対する処理と視覚背側経路の関係が推定されている。CFS とプライミング効果を利用することで, 視覚弁別課題から得られる反応時間の変化より視覚背側経路の働きを推定することができる。CFS は視覚背側経路の働きを行動学的に推測するプローブとして用いることができるが, この手法は具体的な脳部位との関連性について十分な知見があるとは言えず, 今後様々な脳機能イメージング手法と併せて検討する価値がある手法かもしれない。

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