夫介護者の排便介護の負担感および肯定感 : 妻介護者との比較から

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タイトル別名
  • Sense of Burden and Positive Feelings Regarding Defecation Care among Husband Caregivers : Compared to Wife Caregivers
  • フカイゴシャ ノ ハイベンカイゴ ノ フタンカン オヨビ コウテイカン : サイカイゴシャ ト ノ ヒカク カラ

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抄録

目的:在宅で配偶者の排便介護をする男性介護者に焦点を当てて,排便介護状況,介護サービス等の利用状況および負担感と肯定感の特徴を明らかにし,訪問看護師が夫介護者の排便介護を援助するための基礎的知見を得ることを目的とした.方法:A県内7市24か所の訪問看護ステーションを利用している障害老人の寝たきり度ランクB・Cの療養者の排便介護をしている配偶者229人を対象に,無記名自記式の質問紙調査を実施した.調査内容は,介護者・被介護者特性と排便状況とその介護状況および排便介護の負担感と肯定感であり,有効回答140を男女の2群に分けて統計的に分析した.結果:夫介護者は妻介護者よりも排便介護の負担感の「ヘルパーや訪問看護師等の介護サービス費用がかさむ」および肯定感の「互いの思いやりが強くなった」と「恩返しのつもりで排便介護をしている」が有意に高かったが,「福祉用具購入資金援助制度利用」は有意に低かった.夫介護者は妻介護者よりも排便介護状況で服薬の調節と食事の工夫をすることが有意に少なく,排便介護を「訪問看護師」や「ヘルパー」に代行してもらう割合が有意に高かった.結論:訪問看護師は,夫介護者が排便コントロールのための服薬判断や調理を負担なく適切に行っているか確認し,夫介護者の恩返しや思いやり等の肯定感を維持し高め,あるいは経済的負担感を軽減するための情報を提供し活用できるような支援が必要である.

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