マリアナ海溝から発見されたオトヒメハマグリ科の1新種マリアナシロウリガイ(新称)

  • 奥谷 喬司
    Japan Agency for Marine-Earth Science & Technology
  • 藤倉 克則
    Japan Agency for Marine-Earth Science & Technology
  • 渡部 裕美
    Japan Agency for Marine-Earth Science & Technology
  • 小原 泰彦
    Japan Agency for Marine-Earth Science & Technology Hydrographic & Oceanographic Department of Japan

書誌事項

タイトル別名
  • <i>Calyptogena</i> (<i>Abyssogena</i>) <i>mariana</i>: Discovery of a New Vesicomyid Clam from the Mariana Trench
  • Calyptogena (Abyssogena) mariana : Discovery of a New Vesicomyid Clam from the Mariana Trench

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説明

「しんかい6500」第1234潜航によってチャレンジャー海淵近傍のマリアナ海溝陸側斜面,水深 5620 mからシロウリガイ類の未記載種が発見されたので新種として記載した。<br>Calyptogena (Abyssogena) mariana n. sp. マリアナシロウリガイ(新種・新称)<br>殻長 119.0 mm,殻高 37.8 mm,殻幅 29.1 mm(ホロタイプ)。殻は薄く,著しく左右に偏圧されている。殻頂は低く,前から20–25%の所にある。交歯はやや弱く,右殻の主歯と殻頂下主歯はハの字型に配列し,左殻の殻頂下主歯は逆U字型で鈍い後背主歯がある。套湾入は極めて浅いが,套線は前閉殻筋痕の直下から発し,樹枝状の二次接着線が顕著である。本種は南海トラフの約水深 3800 mから知られるカイコウシロウリガイC. kaikoi Okutani & Métivier, 1986に近似するが,両殻はやや膨れ,交装が異なり,分子系統解析からはカイコウシロウリガイおよび大西洋ロガチェフ熱水域に分布するC. southwardae Krylova,Sahling & Janssen, 2010と近縁であると推測される。<br>大型の1個体(パラタイプ# 4)は交装が異様で従来の何れの属定義にも合致しないが,これが怪我または病理学的な畸形か,特殊な老成期をあらわすものかは定かではない。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

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