西南日本の民家庭園に生育するRDB掲載植物の現状

  • 道下 雄大
    大阪府立大学大学院農学生命科学研究科:(現)大阪大学大学院薬学研究科
  • 梅本 信也
    京都大学フィールド科学教育研究センター
  • 山口 裕文
    大阪府立大学大学院生命環境科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • The present state of RDB plants in home gardens in Southwest Japan
  • セイナン ニホン ノ ミンカ テイエン ニ セイイク スル RDB ケイサイ ショクブツ ノ ゲンジョウ

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抄録

観賞利用を主な目的とした植物の人為的移動が及ぼす生物多様性への影響を考察するために、長崎県、和歌山県および静岡県の民家庭園にみられるRDB掲載植物の種類と常在度を調べ、導入経緯の聞き取りを分析した。環境庁または県のRDB掲載植物は、3県の民家庭園に25科53種みられ、82%の民家庭園に少なくとも1種確認された。聞き取りでは、自生地よりの採集が89例、親戚や知人等よりの贈呈が45例、購入による導入が12例あり、この傾向には地域による違いはなく、調査した民家庭園では採集による導入が多い傾向にあった。集落ごとにみられるRDB掲載植物の種数と多様度は、漁業を主とする海岸の集落では低く、農林業を主とする中山間地の集落で高い傾向にあった。民家庭園のRDB掲載植物には地域外からの導入や園芸品種化した植物があり、これらは野生化や近隣の自生個体との自然交雑をとおして生物多様性の劣化要因となると考えられた。

収録刊行物

  • 保全生態学研究

    保全生態学研究 14 (1), 81-89, 2009-05-30

    一般社団法人 日本生態学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (33)*注記

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