保健師と訪問看護師が捉えた在宅ケアマネジメントのニーズに関する研究

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Needs in Home Care Management in Public Health Nurses and Home Visiting Nurses Ascertained

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は,保健師と訪問看護師が捉えた在宅ケアマネジメントのニーズの全体像と,ニーズの表現方法およびその特徴を明らかにすることである.調査対象者は,1998年と2000年に在宅サービスの利用を開始したY県内の要介護者に,ケアマネジメントを行った保健師132人および訪問看護師28人の合計160人である.調査方法は,ケアマネジャーが介護保険制度のケアマネジメントプロセスに従って要介護者のサービスを3か月間継続管理したのち,調査票に記入して研究者へ返送した.調査票の内容は,要介護者とケアマネジャーの属性,ケアプランに記載したニーズと短期援助目標および利用したサービスであった.ニーズの分析方法は,在宅ケアの経験9年以上の看護職7人がKJ法によってニーズを書いたカードを分類した.1枚のカードにはニーズとそれに対応する短期援助目標と1種類のサービスを記載し,1枚のカードが1つの分析単位であるニーズを表すものとした.結果は,109人の保健師(84人)と訪問看護師(25人)から142人の要介護者について回答を得た.要介護者142人には862のニーズがあり,ニーズの全体像は11の上位領域と46の下位領域に分類された.上位領域のうち多かったニーズは健康管理(24.0%),介護(15.9%),日常生活動作(15.4%)の順であった.ニーズの表現方法は名詞で終わる表現と(0.9%),文章によって動詞で終わる表現に大別された(99.1%).ニーズの表現における特徴には,(1)顕在化している現在の問題点や予測される問題点の記述,(2)医療者が使う専門釣語句の使用などがあった.これらの結果から,ケアマネジャーは要介護者のニーズを適切にアセスメントし,ニーズをわかりやすく表現し説明できる技術や能力を習得しておく必要性が示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ