保健指導を受けた成人男性の生活習慣改善過程におけるストレングス

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タイトル別名
  • The Strengths of Adult Men Who Received Health Guidance in the Process of Lifestyle Transformation
  • ホケン シドウ オ ウケタ セイジン ダンセイ ノ セイカツ シュウカン カイゼン カテイ ニ オケル ストレングス

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抄録

目的:本研究の目的は,保健指導を受けた成人男性が生活習慣改善過程においてもつストレングスの内容を明らかにすることである.方法:ストレングスとは,生活習慣改善過程において人々のもつ力,能力と定義する.特定保健指導を受診した40歳代から50歳代の成人男性で,本研究に同意を得られた15人を対象とした.1人あたり約1時間の半構造化面接を1回行い,生活習慣改善過程において本人のもつストレングスの内容を質的帰納的に分析した.インタビューガイドは,(1)保健指導後の生活とその変化,(2)生活を変えることの意味,(3)生活習慣の改善の力になったもの,(4)いまの生活を続けて将来どうありたいと思っているかの4項目を用意した.結果:生活習慣改善過程における男性労働者のストレングスとして【長期的な展望で自分の生き方を考える力】【人とのかかわりのなかで自己の存在を認識する力】【きっかけがあれば生活習慣の改善に向けて行動できるという自己認識力】【ストレスに対応しコントロールする力】【自分の傾向や生活を分析する力】【生活習慣改善目標を自分の生活に合わせて具体化する力】の6カテゴリーが抽出された.考察:生活習慣改善過程における成人男性のストレングスの内容は,認識面にとどまらず行動面の変化をもたらす力であった.さらに,ストレングスは相互に関連し合い,過去,現在,未来へと続く時間軸のなかで,他者との相互作用により引き出されていた.本研究結果より,生活習慣病予防のための保健指導に,ストレングスの概念を取り入れることの重要性が示唆された.

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