終末期在宅療養の実現可能性に関する地方中核都市と郡部在住の住民の認識とその関連要因

書誌事項

タイトル別名
  • People's Belief in the Possibility of Remaining at Home at the End of Life in Semi-urban and Rural Residents and the Related Factors
  • 終末期在宅療養の実現可能性に関する地方中核都市と郡部在住の住民の認識とその関連要囚
  • シュウマツキ ザイタク リョウヨウ ノ ジツゲン カノウセイ ニ カンスル チホウ チュウカク トシ ト グンブ ザイジュウ ノ ジュウミン ノ ニンシキ ト ソノ カンレン ヨウシュウ

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説明

目的:地域住民における終末期在宅療養の実現可能性の認識に関連する要因を,地方中核都市(A市)と郡部(B町)で明らかにする.方法:2012年9月,年齢に基づく層別無作為抽出法を用いて対象者(A市1,800人,B町1,800人)を選定し,質問紙調査を実施した.終末期在宅療養の実現可能性の認識を従属変数とした多重ロジスティック解析を行った.分析は2地域でそれぞれ行った.結果:A市の620人(有効回答率34.8%),B町の493人(同29.0%)を分析対象とした.A市では,終末期在宅療養を実現可能と認識する者は117人(18.9%),B町で68人(13.8%)であった.終末期在宅療養の実現可能性の認識には,A市では,自宅で療養することを支援する病院や診療所があると思うこと(OR=3.28,95%CI:1.94〜5.53),地域の人は家族の介護をする際に助けになってくれると思うこと(OR=2.09,95%CI:1.11〜3.90)が正に関連し,終末期の医療費は自宅の方が病院より高いと思うこと(OR=0.33,95%CI:0.18〜0.61),近親者の死の経験があること(OR=0.55,95%CI:0.34〜0.89)が負に関連していた.B町では,在宅看取りによいイメージがあること(OR=2.88,95%CI:1.58〜5.23),地域の人は家族の介護をする際に助けになってくれると思うこと(OR=2.67,95%CI:1.40〜5.08)が正に関連し,近親者の死の経験があること(OR=0.52,95%CI:0.29〜0.93)が負に関連していた.結論:終末期在宅療養の実現可能性に関する地域住民の認識とその関連要因は地方中核都市部と郡部で異なっていた.住民どうしの関係性を構築することで,「地域の人は助けになってくれる」と地域住民が認識できるような取り組みを行うことの重要性が両地域で示唆された.

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