書誌事項
- タイトル別名
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- The diet of dogs in the amami-Oshima Island forest, with special attention to predation on endangered animals
- アマミ オオシマ ノ シンリン ニ オケル イヌ ノ ショクセイ トクニ キショウシュ ニ タイスル ホショク ニ ツイテ
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抄録
2000年5月から2006年11月までの間に、奄美大島の森林で採集した135個のイヌの糞の内容物分析を行った。出現頻度では、アマミノクロウサギが45.2%、アマミトゲネズミが23.7%、ケナガネズミが20.0%と高い値を示し、これらの種がイヌの影響を最も受けやすい種であると考えられた。これらの種は特別天然記念物および天然記念物に指定されており、イヌ対策の重要性はきわめて高いといえる。奄美大島では現在までに森林でのイヌの繁殖は確認されていない。この理由として、奄美大島では、大型の餌動物が少なく、繁殖に十分な餌資源を得られないことが考えられた。一方で毎年多数のイヌが人間の管理下を離れている。このような状況は、ペット管理のモラルが森林のイヌの個体数、ひいては在来種への影響を大きく左右することを示唆している。これを受けて、本論文ではイヌ対策における方策を以下に提言する。1)長期的な方策:森林へのイヌの供給を絶つための方策。ペットや猟犬の管理に関わる現行法や罰則の周知、適切な法の運用、飼い主のモラル向上のための普及啓発の推進などが強く望まれる。これらは森林のイヌを減少させる根本的な解決策であり、最も優先順位の高い方策である。2)短期的な方策:すでに森林に生息するイヌに対する方策。イヌや糞などの目撃情報の提供先の明確化、情報提供後のすみやかな捕獲が可能なシステム作りが重要である。
収録刊行物
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- 保全生態学研究
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保全生態学研究 12 (1), 28-35, 2007
一般社団法人 日本生態学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680185173504
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- NII論文ID
- 110006343214
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- NII書誌ID
- AA11857952
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- ISSN
- 24241431
- 13424327
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- NDL書誌ID
- 8892990
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可