オキサジキシルの毒性試験の概要

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タイトル別名
  • Oxadixyl
  • オキサジキシル ノ ドクセイ シケン ノ ガイヨウ

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抄録

オキサジキシルの安全性評価のために各種毒性試験を実施した. その結果, オキサジキシルの急性毒性は弱く普通物に相当した. 眼に対しては投与後, 洗浄しない場合に軽度の刺激性がみられた例を認めたが全体的評価としては陰性であった. 皮膚に対する刺激性もなく, 皮膚感作性も陰性であった.<br>ラットおよびマウスを用いた亜急性毒性, 慢性毒性および催腫瘍性試験では高用量で体重増加抑制, 飼料摂取量減少等オキサジキシルに関連する所見が認められ, ラットの慢性毒性試験では肝臓の増殖性病変の発生率が増加した. しかしながら発癌性は示唆されず, むしろ生存率が増加し悪性腫瘍数が減少する傾向にあった. イヌにおける慢性毒性試験では用いられた投与量においてはオキサジキシルによる影響はまったく認められなかった.<br>催奇形性試験ではラットおよびウサギに対する催奇形性はみられず, 変異原性試験においては, S-9 Mix による代謝活性化系の非存在下において細菌に対して弱い復帰変異原性が示唆されたものの, 染色体異常試験, マウスの小核試験の結果はいずれも陰性であった.<br>オキサジキシルは耐性菌出現防止のため混合剤として開発を進めてきたが, 昭和61年10月に農林水産省に農薬登録され現在に至っている. 農薬登録保留基準は果実1.0ppm, 野菜5.0ppm, いも類1.0ppmであり, とくに, ばれいしょ, たまねぎ, きゅうり等に有用な薬剤である.

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