アスパラガス露地栽培における生育不良要因としての土壌水分状態

  • 柳井 洋介
    Tsukuba Vegetable Research Station, NARO Institute of Vegetable and Tea Science
  • 芳賀 紀之
    Aizu Research Centre, Fukushima Agricultural Technology Centre
  • 浦上 敦子
    Tsukuba Vegetable Research Station, NARO Institute of Vegetable and Tea Science

書誌事項

タイトル別名
  • Soil Moisture Condition as a Growth-retarding Factor of Asparagus (<i>Asparagus officinalis</i> L.) Cultivated in an Open Field
  • アスパラガス ロジ サイバイ ニ オケル セイイク フリョウ ヨウイン ト シテ ノ ドジョウ スイブン ジョウタイ
  • Soil Moisture Condition as a Growth-retarding Factor of Asparagus (Asparagus officinalis L.) Cultivated in an Open Field

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抄録

アスパラガスの露地栽培における生育不良要因を土壌水分状態に着目して調査した.5本の畝に対し合計20本のテンシオメーターを株間15 cm深に設置し,降雨に対する土壌水分の応答を観察した.アスパラガス品種‘ウェルカム’が健全に生育していた区画では降雨後に速やかに土壌が乾いていくのに対し,生育が不健全であった区画では降雨後1週間が経過しても畝部15 cm深において圃場容水量に相当する状態に達することなく湿った状態が続くという違いがみられた.畝の15 cm深の土壌水分状態に差異が生じた原因は不明であるが,本研究はテンシオメーターを用いた表層土壌水分張力のモニタリングによりアスパラガスに生育不良をもたらすリスクを検知できる可能性を提示した.福島県に限らず我が国での水田転換畑におけるアスパラガスの生産性を向上させるに当たり,圃場の土壌水分状態を支配する要因の解明が必要となるだろう.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 12 (1), 75-82, 2013

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (4)*注記

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