沖縄産コガタアカイエカにおけるピレスロイド抵抗性要因としての神経低感受性

  • 梅田 公利
    Agricultural Science Research Laboratory, Taharazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
  • 正野 俊夫
    Institute of Agriculture and Forestry, University of Tsukuba
  • 平野 雅親
    Agricultural Science Research Laboratory, Taharazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
  • 高橋 三雄
    Department of Medical Entomology, National Institute of Health

書誌事項

タイトル別名
  • Reduced Nerve Sensitivity as a Resistant Mechanism to a Pyrethroid in <i>Culex tritaeniorhynchus</i> from Okinawa
  • 沖縄産コガタアカイエカにおけるピレスロイド抵抗性要因としての神経低感受性〔英文〕
  • オキナワサン コガタアカイエカ ニ オケル ピレスロイド テイコウセイ ヨウイ

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説明

安富・高橋 (1989) は, 沖縄県内で採集したコガタアカイエカ (知念系) にピレスロイド剤に対する抵抗性を認め, mixed function oxidase (MFO) 阻害剤 (piperonyl butoxide) を用いた実験によりその抵抗性比は約1/3低下したが, 感受性レベルまでには回復しなかったと報告している. そこで本系統のピレスロイド剤に対する神経感受性を調査するために電気生理学的実験を行なった. permethrin による自発性スパイク消失時間を指標としたところ, 知念系の神経感受性は, 感受性系統のそれと比較して, 約1/10低いと推定された. 安富・高橋の結果と今回の結果より, 知念系コガタアカイエカがピレスロイド剤に抵抗性であるおもな機構は, 神経の感受性低下であり, ミクロゾーム酸化酵素の活性増大は補助的な役割を果たしていることが示された. なお, 知念系コガタアカイエカの生息地におけるピレスロイド剤の使用歴は把握されておらず, 本系統が感受性系統に比較して, 感受性が異なる理由は不明であるので, これらの関係をも調査する必要があると考えられる.

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